今年も南本城の植物見学会を開催しました
麻績の里振興委員会では毎年、この時季に県史跡・南本城城跡に自生するササユリをはじめとする里山の植物を観察する会を開催しています。
今年は6月9日(日)午前7時から小雨の中、地域の皆さん11名が麻績の館前に集合し同委員会2班の浅野班長のあいさつの後、講師をお願いしている小林正明先生から「1年に一度、皆さんと一緒に南本城に自生する植物を観察しながら初夏の里山を楽しんで巡りたい」とのお話がありました。
まずは、足元の麻績の広場に自生するヤハズソウについて小林先生の「葉を引っ張ると矢筈形に千切れることが名前の由来」という解説に早速手に取り、葉を引っ張って「矢筈形」を体感していました。
その後、新緑の南本城に足を踏み入れて神社の神事に使われるサカキ、冬に赤い実をつけるアオキ、梅雨の花と言われる野アザミ、雄株から雌株に性転換するというマムシグサなど南本城に自生する個性豊かな植物たちを観察しながら、小林先生の説明に足を止めつつ散策を楽しみました。
そして、明るい日差しが降り注ぐ遊歩道の脇や斜面にひっそりと咲く「ササユリ」の可憐な薄紅色の花に参加者一同、癒されました。
ただ、私たち2班のメンバーが案内看板を設置するなど整備して見守っている長野県の絶滅危惧種のこの花は自生地内では2輪しか開花せず、若芽も少なかったことから今後の保護育成に課題も見つかりました。
なお今年は植物見学会終了後、財産区の皆さんと麻績振の他班のメンバーにも声をかけて南本城全体の整備作業(草刈り)も実施しました。
私たち麻績振では引き続き、南本城に生育する希少植物などの保護活動を続けていきますので、一緒に貴重な植物を大切に見守っていきましょう。